「一人じゃない」と伝わるカフェにしたい!
——メンローパーク・コーヒーの理念と今後のビジョン
We will close the gap ~ギャップからの開放~
メンローパーク・コーヒー 岡山 遙
× 加藤崇 対談
メンローパーク・コーヒー 岡山 遙
岡山遙氏はロボットベンチャーなどで成功した加藤崇氏と共同で東京都渋谷区にメンローパーク・コーヒーを設立しました。
今回は、メンローパーク・コーヒーの理念や今後のビジョンについて、岡山氏にお話をうかがいました。
「カフェを作りたい」「女性に対する差別がない雇用を目指したい」と動き始めた
加藤メンローパーク・コーヒーを設立したきっかけや理念から語ってみようか!
岡山私はもともと食品の会社にいたのですが、加藤さんに声をかけてもらって、一緒にメンローパーク・コーヒーを設立することになりました。
お話を頂いたときは社会に出て6年目くらいだったので、とても驚いたのを覚えています。
加藤誰と一緒にやるか考えていたときに、岡山さんの顔がパッと浮かんだんだよね!
岡山車の会社に転職しようとも思っていたくらいで、カフェで働いた経験はないし、コーヒー豆の種類もわからないという状態でしたからね。
いきなり私に「社長をやってくれ!」と言ってくる加藤さんは、やっぱり発想が違うなと思いました。
メンローパーク・コーヒーとしては、女性に対する差別がない雇用を目指したいですね。
女性より男性の給料のほうが高いとか、女性は頑張っても給料が上がらないとか、男性優位の社会を変えていきたいと思います。
加藤シリコンバレーのように女性差別がない社会にしていきたいね。
岡山雇うという表現もあまり適切ではなくて、協力していくという感覚で経営していきたいですね。
カフェの理念については、加藤さんとも何度も話しました。
男性社会で働くOLから、女性中心に発信していけるカフェ作りへと
加藤まったく知らないカフェ作りに挑戦しようと決めた理由はある?
岡山私は6年くらい男性社会のなかでOLとして働いてきたのですが、「女だから教える価値がない」「どうせ結婚して辞めるでしょ」という雰囲気があって…。
一生懸命やろうと思っている人の芽がつまれるのは間違っていると感じていました。
表向きは女性の地位向上に取り組んでいくと言っている会社でも、中身はまったく追いついていないこともよくありますよね。
加藤女性を下に見ている人は本当に多いよね。
岡山それに対して加藤さんの理念は、本当の意味で女性を中心として何かを作っていくということだったので、「私も参加したい!」と思いました。
女性中心で発信できる場所を作ることに参加できるのであれば、カフェでも雑貨屋でも一緒にやりたいなと感じましたね。
最初のきっかけは加藤さんに声をかけてもらったことですが、やるからには自分で納得したうえで参加したいなという気持ちもありました。
加藤さんの思いや社会に対する問題意識に、自分も共感できるかどうか…。
嘘をつくのは失礼だと思ったので、本当に腹から理解して共感できるようにしたいなと思っていました。
印象的なアルバイトの存在から、社会に訴えたいことを知った
加藤アルバイトの事件は印象的だったね。
岡山あのアルバイトの女性の存在は忘れられないですね。 アルバイトの募集をすると結構な人数が応募してくれるのですが、彼女はそのなかでも何ももっていなくて、大学も1年で中退したような人でした。
加藤彼女は「今までいいことがなかったから、とにかく人生を変えたい」と言って応募してきて、他にまともな人はたくさんいたけれど、結局彼女を採用した…。
岡山母子家庭で育ったこともあり、いろいろな問題を抱えていたのですが、カフェを自分の場所だと思ってくれたようで、私もすごくうれしかったのを覚えています。
ただ、しばらく働いたあと、朝いきなり来なくなりました。
連絡したら、急性アルコール中毒で病院に運ばれていて…。
夜になるとお酒を飲んでしまうということだったので、毎朝7時にカフェに来させたのですよね。
加藤夜になると「寝なさい」とメールを送って、朝はカフェで仕込みをさせる…。
岡山本当にカフェを経営しているのかよくわからなくなりますが、その出来事がメンローパーク・コーヒーらしいなと思います。
痛みを抱えるスタッフに寄り添うことも、私たちが実現したかったことのひとつかもしれません。
社会に訴えたいことを彼女が教えてくれた気がします。
シリコンバレーの考え方を色濃く出しつつ、「一人じゃない」と伝わるような場所にしていきたい
加藤カフェを通して世の中に伝えたいことはある?
岡山東京にはいろいろなコンセプトのカフェがあるので、差別化を図るためにも、もう少しシリコンバレーの文化や考え方を色濃く出していけるようにしたいですね。
ただコーヒーを安く提供するだけではなくて、いいお客さんがいて、いつ来てもいい雰囲気という場所にするのが目標です。
ちゃんと理解してくれる人に集まってもらえるように、もっと育てていきたいですね。
加藤理解してくれるファンを増やしていきたいよね!
岡山「一人じゃない」と伝わる場にすることも目標のひとつです。
どうしても孤独感を感じやすいこの時代に、「そう感じているのはあなただけじゃない!」と、伝わるようなカフェにしたいですね。
お客さんファーストでやっていたら、もっとできることがあると思っています。