かけがえのない経験をしている
——フラクタ社の代表が語る女性社長としての苦悩と今後のビジョン
We will close the gap ~ギャップからの開放~
フラクタ社日本法人 CEO 伊藤 陽子
× 加藤崇 対談
フラクタ社日本法人 CEO 伊藤 陽子
伊藤陽子氏は、ビックデータとAIを活用して水道管の劣化を診断する技術を提供するフラクタ社日本法人の新CEOとして2022年3月に就任しました。
今回は伊藤氏に、生命保険のセールスレディーから転身した経緯や、女性社長としての苦悩、今後のビジョンについて語っていただきました。
東海地区トップ成績の生保セールスレディーからフラクタ社の女性社長へと転身
加藤フラクタ社の女性社長へと転身した経緯から話してもらえると!
伊藤私は3人の子どもがいるシングルマザーで、12年間、生命保険のセールスレディーをしてきました。
東海地区ではトップの成績で表彰されたりもしたのですが、子どもを育てるためだけに働いてきたので、正直なところ成績はどうでもいいなと思っていたのです。
その頃、知人から加藤さんの存在や事業のことを聞いたのですが、私には縁のない世界だなと思いました。
加藤まったく違う業界だからね。
伊藤「そんな大きな会社の代表と言われても無理です…」と最初は何度もお断りしましたね。
ただ私は、チャンスは必ず掴みにいきたいと思って生きてきたので、「ここで加藤さんとお話もしないことは自分のポリシーに反するかな」と思ったのです。
加藤それでいろいろ話をしたんだよね!
伊藤今の日本には、夢や希望を語る大人がいないですよね。
子どもたちにも、安定した仕事に就きなさいと言ってしまう…。
でも加藤さんはまったく逆で、お会いしたとき、すごくギラギラしていたのです。
私も「ギラギラしたい!」と思っていたので、ダメもとでチャレンジしてみようという気持ちになりました。
「社長のためなら」と働いてくれる人たちがいる!かけがえのないポジション
加藤実際に女性社長になって感じることはある?
伊藤面白いのですが、もちろん大変さもあります。
生保のときと比べると、違う種類の大変さを感じますね。
ただ、組織をつくっているという実感はあります。
日本では女性がトップになるケースはまだまだ少ないのですが、加藤さんが結びつけてくれた人たちは、みんな私を好きになってくれます。
加藤いいチームになってきているよね!
伊藤結束力が強いですね。
普段はみんなバラバラに仕事をしているようだけれど、いざというときは強く団結します。
あるスタッフがミーティングに出ていないときに、別のスタッフが心配して家まで見に行ってくれたこともありました。
加藤本当に会社の雰囲気が変わってきたよね!
伊藤加藤さんはいつも「あなたの影響力でチームが変わった」と言ってくれるのですが、加藤さんの影響で私自身が変わったと思っています。
私は今まで使われる側で必死になって働いてきたのですが、今は「社長のためなら!」と動いてくれるスタッフがいることがとてもうれしいですね。
私も加藤さんと同じで母を早くに亡くしたので、慕ってもらえるようなポジションを与えてもらったということは、自分の人生のなかでかけがえのない経験だと思います。
「片親」「学歴」の差別と戦いながら培ってきた営業の手法を惜しみなく継承していく
加藤フラクタ社を経営するうえで大事にしていることはある?
伊藤「営業ができたらどんなことをやってでも生きていける!」と思っているので、今まで培ってきた営業の手法をみんなに継承していこうと考えています。
私は、現場に行って人と直接会うことを一番大事にしているので、みんなにも覚えてほしいですね。
加藤特別な技能とかはあまりいらないよね。
伊藤デジタルなものを売っているように思えるけれど、やっていることはアナログですからね。
あとは、子どもがいるシングルマザーでも働きやすい環境をつくりたいと思っています。
シングルマザーの家庭の子どもたちは、お金がなくて大学に行けないとか、ずっと貧乏に苦しむことになりがちなので、そこをうまく解決していきたいですね。
特別高度な技術をもっていなくても大丈夫だよと、私が旗を上げないといけないなと思っています。
誰もが知っている、子どもたちが将来働きたいと思う会社にしたい
加藤今後のビジョンは?
伊藤フラクタを誰もが知っている会社にしたいですね。
女性が働きやすい環境をつくるのはもちろんですが、子どもたちが将来働きたいと思うような会社にしたいというのが一番です。
イメージとしては、日本のみんなが知っているヤクルトですね。
私自身としては、自分の子どもたちが一番の応援団だと思っているので、「ママ、かっこいい!」と言われる存在になるのが目標です。
たぶんすべてのお母さんがそう思っていますよね。
加藤シングルマザーもどんどん雇えばいい!
伊藤加藤さんが大学生のときにお母さんを亡くしたと聞いたときは、無念だっただろうなと思いました。
だから私は、今がんばろうと思うのです。
「お母さん、すごかったよね」と言ってもらいたい…。
加藤さんにも「採用して本当によかった!」と言ってもらいたいですね。
多くの人にフラクタに来てもらって、加藤さんの「大丈夫だよ!」という言葉に安心して仕事をしてもらいたいと思います。